第353回 最後の貸し手 三菱UFJ:米モルガンSに1兆円出資 野村によるリーマンアジア買収
- 2008/09/23
- 08:18
本日も2本建てとなります。
第352回 米国4大投資銀行が消えた日
http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari/44139717.html からどうぞ
昨日の日本経済新聞朝刊 よみごろBOOKナビで紹介されました。
http://www.yomigoro-booknavi.com/
ドル崩壊!
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三菱UFJ:米モルガンSに1兆円出資、筆頭株主へ-投資銀行強化
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=alp4qj4oni2I
9月22日(ブルームバーグ):三菱UFJフィナンシャル・グループは22 日、米大手証券モルガン・スタンレーに出資することで合意したと発表した。モルガンSの普通株最大20%を取得して筆頭株主になり、持ち分法適用会社とする方針だ。20%の出資は9000億円を超える見通しで大手邦銀による海外金融機関への投資では過去最大規模となる。
三菱UFJによると、取得価格や時期については今後、調整していく。国際的な投資銀行業務の強化が目的で、企業の資金調達や買収・合併(M&A)助言など同業務全般での提携に向け具体的な協議を進めていく。少なくとも取締役1人を派遣することも検討する。今回のモルガンSへの出資は三菱UFJの独占的な契約に基づいて実施される。以下略
米モルガンSがワコビアとの合併交渉を保留、週内に打ち切りも-FT
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aFyQDr9YekNs
モルガンSとワコビアとの合併交渉は打ち切られた。敗者連合では合併は難しかったのだろうか?
野村HD:リーマンのアジア事業買収で合意、3000人規模-国際強化
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aVbtqtWpgJUA
野村HDによるIR
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20080922/20080922.html
野村ホールディングス株式会社(執行役社長兼CEO:渡部賢一)は、リーマン・ブラザーズ(以下、リーマン)の日本、オーストラリアを含むアジア・パシフィック地域部門の3,000人を超える雇用を継承することについて、基本合意に達したと発表した。本案件の成立にはいくつかの条件を満たすことが前提となる。
本案件については、雇用に加え、その事業インフラも引き継ぐ。リーマンは、投資銀行業務の分野で強固なビジネス基盤を持ち、M&A、取引執行サービス、さらに、デリバティブ、電子取引、プライム・ブローカレッジ等の業務を展開している。本案件により、同地域における同社とリーマンの顧客基盤が融合し、ホールセール・ビジネスの強化に繋がる。また、アジア発の世界に向けた戦略の実現をさらに推し進めることになる。
なお、同社は、対象となる部門の社員の雇用を引き継ぐが、トレーディング等に関連する資産と負債は継承の対象外としている。以下コメント部分略
幾つかの条件というのが非常に気になる訳である。
これに先立ち、FTは下記のような報道を掲載した。
野村HD:米リーマンのアジア事業買収で合意、韓国除く-英紙FT
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=au6XWVc0XxVA
最終的に韓国事業の行方はどうなったのだろう?
バークレイズ、リーマン・ブラザーズの北米事業買収完了-17.5億ドル
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aQ0JB7Q3sgUo
9月22日(ブルームバーグ):英銀3位のバークレイズは22日、破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの北米事業買収を完了したと発表した。買収額は17億5000万ドル(約1870億円)。
バークレイズの発表資料によれば、同行はリーマンの投資銀行と資本市場関連事業を買収する承認を、米破産裁判所から19日に得ていた。
バークレイズには、三井住友が出資している。
リーマンアジア 野村
リーマンアメリカ 三井住友
モルガンスタンレー 三菱UFJ
日本勢は、このような形でリーマンの破綻処理に参加すると同時に、全米の一角を担う投資銀行に経営参加することになった。しかし、米国の不動産価格の下落は底が見えておらず、リーマンの破綻に伴うCDS問題、AIG問題など問題山積の状態である。今回の判断が良い判断となると良いが市場環境はより厳しいといわざる得ない。しかし、日本が参加しない限り、今回の問題の解決はない状況となっている。
そして、日本は膨大な額のドル資産を保有しており、ドルの衰退は日本の衰退に直結する問題でもある。今回の判断が将来に向けての良い判断となることを心から望むものであるが、実際のところ難しいかもしれない。
短期市場:翌日物が二極化、外銀調達やレポ金利高い-日銀は供給継続
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aMh26tze3RTE
9月22日(ブルームバーグ):午前の短期金融市場の無担保コール翌日物は、国内銀行の調達水準が0.2%まで低下する一方、外国銀行の調達は0.5- 0.6%台と水準が二極化している。金融機関同士で信用不安が根強いうえ、国債決済の集中日に伴う決済不能(フェイル)も警戒され、レポ(現金担保付債券貸借)市場を中心に資金手当ての需要が強い。
翌日物は前週末の加重平均金利0.433%に対して、国内大手行は0.50%で調達を進めた後、0.30%から0.20%まで水準を下げて取引している。一方、外銀は0.55%を中心に一部0.60-0.65%と、高めの水準で資金を確保しており、国内銀と外銀で調達水準に大きな格差が生じている。
セントラル短資の金武審祐執行役員は、「邦銀のインターバンクレートだけみていると資金供給オペは必要ないが、レポ市場の影響で外銀のコールレートやオペレートが高くなっている。レートの二極化で、日銀は難しい金融調節を迫られている」と指摘する。
日銀は午前9時20分の定例金融調節で、即日実施の本店供給担保オペ1兆 5000億円(期日9月24日)を実施した。定例時刻前の緊急供給は回避されたが、大量の資金供給は5営業日連続。オペの最低落札金利は0.71%、平均金利は 0.726%と、翌日物の誘導目標0.50%を大幅に上回っている。
リーマンAIG問題の発生により、外資への安全神話は完全に崩壊した。また、AIGなど円キャリートレードの原資となる外資系保険会社の資金は流出を続けている物と思われ、その影響は未知数である。
今回の問題により、市場から長短両面の真水の資金が失われる物と想定され、それがレベレッジマネーに更なる混乱を巻き起こす物と推測される。
AIG株主:22日に政府救済策の代替案協議へ-株式希薄化に反発
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=awIT0EMdQgso 一部抜粋
AIGは先週、当局から最大850億ドルの融資を受け、公的管理下入りすることで合意した。当初公表された条件では、米政府が79.9%の持ち分相当のワラントを得るに当たり、株主の承認が必要とされていた。ところが、19日遅くに当局に提出された文書では、ワラントや株主投票への言及部分が削除されていた。
AIGの救済に関して、株主の反発により再協議が行われる模様である。まだまだ、先行きは不透明な段階であり、その成り行きに注目されるところである。
米財務省:非課税MMFも保証プログラムの対象-19日時点価値を基準
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ac678U55mkRw
MMF保証プログラムにより、一般の預貯金からの資金流出が懸念されている。当然とも言えるがこれにより、銀行の財務内容が悪化する懸念が生まれている。
アメリカはどこに向かうのだろうか?迷走を続けている。