第356回 金融安定策早期策定観測 銀行間金利は高止まり
- 2008/09/26
- 06:42
21日の日本経済新聞朝刊 よみごろBOOKナビで紹介されました。
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ドル崩壊!
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昨日、第3刷の印刷が決定しました。地方でも入手しやすくなると思います。
昨日のアジア市場は、金融安定策策定が遅れるという観測から来る前日のNYの下げを受けて大きく下げて寄りついた。その後、日本の貿易統計が赤字化するなど景気悪化感が強まるもその影響は限定的となり結果的に下げ幅を縮小した。その後の欧州市場は、金融安定策の早期合意観測が生まれ急騰、HSBCによるUBS救済観測もあり、金融株を中心に急騰、NYは各種ファンダメンタルズは悪化を示しているのもの金融安定策の早期合意観測から上げて終えた。
日本株(終了)下落、世界景気警戒で海運や商社安い-配当権利落ちも
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aJhGSOqYE08g
アジア株:MSCI指数、3日続落-ホンダやBHPビリトンが安い
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aHd88LMeK64U
欧州株:4日ぶり上昇、銀行・保険株高い-企業買収活発化への期待で
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aDGsbGQCOZvk
米国株:反発、議会が金融安定化策で合意に近づく-ダウ196ドル高
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aoUhhgmDmSo8
NY外為:円下落、米安定化法案可決の観測でキャリー取引
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ay7OWUtNc8cE
NY原油(25日):反発、金融安定化法案の通過観測で-108.02ドル
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=alS8bVriP0c4
NY金:下落、米金融安定化法案通過の思惑で-質への逃避需要に陰り
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a8Pj401MkPlQ
市場はファンダメンタルズよりも資金動向に大きく反応する展開、これは金融の危機的状況を象徴するものである。株価為替共に目先の資金動向に対する思惑が大きく市場を揺らしている。
米金融安定化法案:民主・共和両党が「原則」合意-早期通過へ道筋
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aNoSo8cNBf8k
9月25日(ブルームバーグ):米上院銀行委員会のクリストファー・ドッド委員長(民主、コネティカット州)は25日、金融安定化法案の「一連の原則」について、共和党と民主党が合意に達したと発表した。
同委員長は議会で記者団に対し、議会はこれで「迅速に行動し、市場にメッセージを送る」ことができるようになると語った。
米財務長官:報酬制限や株式取得条項で姿勢を転換-金融安定化法案
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aV.gnovCOXdo
米FRB議長:住宅公社の優先株を保有する金融機関に税制優遇措置を
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=apTCFuYJhIm4
合意内容に関する詳細は出てきていない。この内容次第では再び大きく動く可能性もある。
アジアの主要短期市場金利が上昇-米金融安定化策をめぐる懸念で
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=acXDuv6fQ_yo
欧州の短期金融市場で金利が大幅上昇-米金融安定化策をめぐる懸念で
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aE5Rr2WzySzc
ドル建てLIBOR、99年来の大幅上昇-米金融安定化策への懸念
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aU1awFusXnsc
金融不安、金融収縮が継続する中、資金繰りの問題から更なる危機的状況を迎えている金融機関が増加している。また、このような金融機関の多くに合併観測、身売り観測も生まれておりその成り行きが注目される。月末、4半期末を向かえ、資金需要が高まりを見せる中、資金調達が困難な状況が生まれており、これが資金ショート観測すら生んでいる。
UBS株が一時5.8%高、HSBCが買収に関心との観測が浮上
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ajpteAkd5SfE
フォルティス、株価18年で最大の下げ-資金繰り難の憶測-同社は否定
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ajlr8tXZRfT8
米ワシントン・ミューチュアルがPE会社数社に身売りを打診-WSJ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=abFQoladx0ic
「大手」金融機関の破たんは今後も増える見込み-米ラザードのパー氏
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aN34Smscbi2c 一部抜粋
9月24日(ブルームバーグ):米投資銀行ラザードのゲーリー・パー副会長(52)は24日、世界的な信用危機が終わるまでに「大手」金融機関の破たんや他社との統合が今後も増えるとの見通しを示した。パー氏は今年に入って、ベアー・スターンズやファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスのアドバイザーを務めた。
パー氏はニューヨークで開かれた会議で、「格付け各社の金融機関格下げの勢いは弱まっていない」とし、「このことが問題を生み、増資の必要性が生じ、破たんの増加につながる。複数の大手機関が買収されるだろう。そうならざるを得ない」と述べた。
同氏は自身のアドバイザーとしての役割について、「次から次へと現場に駆けつける救急救命士のようだと感じるときがある」と話した。 パー氏はさらに「われわれが今、危機のどの局面にあるかということをよく尋ねられる」とし、「ただ一つ言えるのは、われわれが危機の真っただ中にいて、かなり大きな損失が今後もまだ生じるということだ」と語った。
市場は次の犠牲者を捜している。
ヘッジファンドがMMFに1000億ドル移す、安全資産に逃避-英FT
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aAXqyED4NVqg
金融安定策の副作用でもあるが、銀行預金から資金が流出、政府保証のある安全なMMFに資金移動が発生、これが銀行の破綻リスクを引き上げる結果になっている。
中国銀行(香港):東亜銀行への支援を表明-取り付け騒ぎ受け
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ah93jOkxTo1Y
そんな中、香港では取り付け騒ぎが発生、中国銀行は支援を表明してこれをさえ込んだ。
中国銀監会:銀行間市場での米銀への融資禁止を命じるとの報道を否定
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aliR8N53PeUY
中国が米系金融機関へのインターバンク貸し出しを規制したという噂が流れた。中国当局は否定をしているが、中国と言うこともあり当局の発表を信じる物は少ない。
アジア諸国は米国債のパニック売り防止で団結を-元中国人民銀の余氏
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ayj7DBpekADs
何を隠そう国際社会の一番の懸念先は中国自身である。OBの発言ではあるが、日米に対する大きな圧力となると思われる。
8月の米製造業耐久財受注:前月比4.5%減少、除輸送機は3.0%減
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aeVz2de3bQp8
米週間失業保険申請:3.2万件増の49.3万件-ハリケーン一部影響
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aAV2gMet3Q4s
8月米新築住宅販売:11.5%減の46万戸、91年1月以来の最低
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aAV2gMet3Q4s
米国の実体経済は急激な冷え込みを見せている。この傾向が続く限り、金融機関の損失は拡大し、将来的な金融不安の改善はない。米国政府は救済で手一杯な状況となっており、財政負担を増加させる景気刺激策の策定は困難を極める物と思われる。次期大統領誕生まで大がかりな景気刺激策は策定できないとの観測が強い。