第1324回 米国財政問題再燃
- 2011/11/22
- 07:37
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■今日の国内市況:株式は続落、債券下落、円上昇-東証が取引時間延長
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a0KfRUWUSCYU
東京株式相場は続落。欧米財政問題をめぐる不透明感、為替の円高懸念が強い中、自動車や電機など輸出関連株を中心に海運、鉄鋼、鉱業といった景気敏感業種が売りに押された。ただ、米国の景気先行指数が市場予想を上回り、米経済の先行き不安はやや和らいだこともあり、相場全体の下げは限定された。
前週末18日の欧州では、ドイツ外務省がギリシャ以外でも「秩序あるデフォルト(債務不履行)」の可能性を検討している、とDPA通信が報道。これに対し、欧州中央銀行(ECB)が国際通貨基金(IMF)にユーロ圏諸国救済のための資金を貸し付ける仕組みについて、両者が協議を始める可能性がある、とダウ・ジョーンズ通信は報じた。
財政問題をめぐっては、米国でも財政赤字削減計画の策定期限である23日が迫る中、超党派特別委員会では共和党陣営と民主党陣営が共に譲らない姿勢を見せている。欧米財政の不透明感を背景に、21日の東京外国為替市場では1ドル=76円台後半、1ユーロ=103円台後半と、対ドルを中心に直近の円高水準で推移した。
■グローバル・ストックマーケット・サマリー【アジア・太平洋編】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=anW0Le2voxaU
香港株式相場は5営業日続落。中国の不動産市場や欧州債務問題をめぐる懸念に加え、米議会の超党派委員会が財政赤字削減で合意できないとの見通しが売り材料となった。
小売企業に衣料品や玩具を納入する香港のリー・アンド・フォン(利豊、494 HK)は5.3%安。同社は売上高の65%を米国で稼ぐ。欧州を最大の市場とする衣料小売りのエスプリ・ホールディングス(330 HK)は4.8%値下がりした。欧州債務危機で域内の経済成長が損なわれるとの見方が強まった。米ナイキの靴を受託生産する裕元工業(集団)(551 HK)も安い。
香港に上場する中国本土の不動産開発会社で最大手の中国海外発展(688 HK)は3.2%下落。国営新華社通信は、中国当局が不動産抑制策を来年7-9月(第3四半期)まで継続する可能性があると報じた。中国最大の銀行、中国工商銀行(1398 HK)も売られた。
中国株式市場では、上海総合指数が下落。不動産市場の成長鈍化に伴い、セメントから家電製品まで住宅関連の需要が落ち込むとの懸念が強まった。
中国最大のセメントメーカー、安徽海螺水泥(600585 CH)は2カ月ぶりの安値に下落。家庭用エアコン大手の珠海格力電器(000651 CH)と広東美的電器(000527 CH)はいずれも3%を超す値下がりとなった。中信証券(CITIC証券)が同業界の投資判断を引き下げたことが響いた。電力会社の華能国際電力(600011CH)も安い。
一方、景気減速の影響を受けにくいとの楽観的な見方から、ビールメーカーの青島ビール(600600 CH)を中心に生活必需品銘柄が買われた。
大衆保険のファンドマネジャー、呉侃氏は「引き締め策と不動産市場の規制強化の影響で国内需要は依然として弱く、これが企業の10-12月(第4四半期)の収益悪化懸念につながるだろう」と指摘、「ただ、最も厳しい金融引き締め局面は終わったはずで、一段と大きく悪化するとは思わない」との見方を示した。
■11月21日の欧州マーケットサマリー:株は大幅安、スペイン債下落
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aHW78Xs3isG8
21日の欧州株式相場は下落し、3週間ぶり大幅安となった。米議会の超党派委員会が財政赤字削減で合意できないもようとなり、米国が再び格下げに直面する恐れが強まっている。
ベルギーのKBCグループを中心に銀行株が安い。ドル調達コストと債券利回り上昇が材料となった。鉱業やエネルギー銘柄も値下がり。アジアの成長鈍化の兆候で金属や原油価格が下げたことが響いた。欧州小売り最大手、フランスのカルフールは3.2%下落。同社の大株主がラー・オロフソン会長兼最高経営責任者(CEO)の交代を検討していると、関係者が明らかにしている。
ストックス欧州600指数は前週末比3.2%安の224.76で終了し、今月1日以来の大幅安となった。先週は3.7%値下がりした。同週はイタリアとスペインの借り入れコストが上昇し、両国の債務保証料も上がったことから世界的に株安の様相となっていた。
21日の欧州債市場でスペイン国債が下落した。総選挙での大勝で次期首相となるマリアノ・ラホイ国民党党首が域内で3番目に大きな財政赤字に取り組むのを前に、厳しい時代に備えるよう国民に呼び掛けたことが手掛かり。
イタリア国債も下落。域内債務危機の悪化で欧州の銀行によるドル建て調達コストが上昇している。一方、ドイツ国債は上昇。同国財務省が景気減速を指摘したほか、米議会での赤字削減をめぐる交渉行き詰まりを背景に、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が高まった。欧州中央銀行(ECB)はこの日、先週の国債購入額が増えたことを明らかにした。
INGグループ(アムステルダム)のシニア金利ストラテジスト、アレッサンドロ・ジアンサンティ氏は「過半数を得ても、スペインの新政権は苦労するだろう」と述べ、「市場はスペインの状況がイタリアと比べてそれほど明るくないことを把握している」と続けた。
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