第1453回 悪化するスペインの銀行危機
- 2012/05/31
- 05:58
★スペインの銀行危機、スペインの銀行危機を抑えこむには、スペインの銀行の増資が必要 問題はこの資金をどのように調達するかということになるが、スペイン政府にはそれに耐えうる体力があるとは言い切れず、これが信用不安を呼んでいる。
資本不足が表面化しているのはバンキアとなるが、その原因は不動産バブルの崩壊であり、これはバンキアだけの問題ではない。そして、バンキアの信用不安は、バンキアの株式や債券を持つ貸し手にも波及することとなる。。続きは■渡邉哲也の今世界で何が起きているのか http://foomii.com/00049
■ユーロが対ドルで1年11カ月ぶり安値圏、スペイン不安が重し
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4T4VB1A1I4H01.html
■スペイン5年債利回りが6%に達する、昨年11月30日以来で初
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4TV6J6KLVR901.html
■ECB:銀行の資本増強でスペイン政府の相談受けていない
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4TXEW6KLVR401.html
スペイン政府はバンキアの親会社に国債を注入する案を取り下げた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、バンキアがその国債を担保にECBから借り入れることができると報じていた。
■スペイン政府のバンキア資本強化案をECBが拒否-FT
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4TOII07SXKX01.html
ECBはスペイン政府に対しバンキアにはきちんとした資本注入が必要だと伝えた。同国政府案は欧州連合(EU)規則に抵触する可能性があると欧州の当局者2人が指摘したという。EUの行政執行機関である欧州委員会は先に、バンキアの再編をめぐりスペイン政府と協議したと明らかにしていた。
■バンキアが預金者に売った優先株、減免強制なら社会不安も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4S48B6JTSEA01.html
バンキアなどスペインの銀行は、優先株224億ユーロ(約2兆2200億円)相当を個人投資家に支店を通じて販売している。いわゆる「債務整理」が行われる場合、返済順位がより高い債券を保有する金融機関よりもこうした個人投資家が先に犠牲になる。
★昨日の市況★
■今日の国内市況(5月30日):株式、債券、為替市場
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4TR751A1I4L01.html
●日本株は反落、欧州懸念強く金融安い-景気策期待剥落し中国関連も
東京株式相場は反落。スペインの財政・金融問題など欧州情勢への警戒感が根強く、保険や銀行など金融株、ガラス・土石製品など素材関連株の一角が安い。前日に高まった中国の大規模な景気刺激策への期待感も早々に剥落し、機械など中国経済との関係が深い業種も軟調だった。
TOPIXの終値は前日比3.41ポイント(0.5%)安の723.62と反落、日経平均株価は同23円89銭(0.3%)安の8633円19銭と5営業日ぶりに下げた。
●ユーロが対ドル1年11カ月ぶり安値、スペイン不安で対円1月来安値
東京外国為替市場では、ユーロが対ドルで約1年11カ月ぶり安値を更新。スペインの銀行救済問題に対する懸念が重しとなり、ユーロは対円でも約4カ月ぶり安値を付けた。
ユーロ・ドル相場は一時1.2439ドルまで下落し、前日の海外市場で付けた2010年7月1日以来のユーロ安値を更新。ユーロ・円相場は一時、1ユーロ=98円68銭と1月19日以来の水準までユーロ安が進んだ。一方、ドル・円相場は1ドル=79円半ばで小幅な値動きが続いていたが、午後には円買いが優勢となり、一時79円30銭と1週間ぶりのドル安・円高水準を付けた。
■グローバル・ストックマーケット・サマリー【アジア・太平洋編】
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4U3BA0UQVI901.html
【香港株式市況】
香港株式相場は下落。ハンセン指数が4営業日ぶりに反落した。中国には世界的な金融危機時のような大規模な景気刺激策の導入計画はないとの報道や、一部の格付け会社によるスペイン格下げが嫌気された。
時価総額で世界最大の銀行、中国工商銀行(1398 HK)は1.7%安。中国建設銀行(939 HK)は1.1%下げた。婦人靴製造・販売の百麗国際(1880 HK)は3.2%安。同社が今年の売り上げは伸びが鈍化すると見込んでいるとスタンダード紙が報じた。
ハンセン指数は前日比365.24ポイント(1.9%)安の18690.22。ハンセン中国企業株(H株)指数は同1.7%安の9690.67で引けた。
【中国株式市況】
中国株式相場は下落。上海総合指数が前日に付けた約2週間ぶり高値から反落した。中国政府が大規模な景気刺激策導入の観測を打ち消したことが響いた。
建材関連メーカーが安い。セメントメーカーの安徽巣東水泥(600318 CH)は1.1%安。河北鋼鉄(000709 CH)は0.7%安。当局は世界的な金融危機時に実施したような規模の刺激策を導入する計画はないと、国営新華社通信が伝えた。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数は前日比4.97ポイント(0.2%)安の2384.67。前日までの2日間では2.4%上昇し、29日終値は11日以来の高値だった。上海、深?両証取のA株に連動するCSI300指数は前日比0.3%安の2642.26。
浙商証券の王偉俊ストラテジスト(上海在勤)は電話取材に対し、「新華社の報道は投資家を失望させ、刺激策の規模が成長鈍化の流れを反転させるのに十分なものとなるかどうかという疑問を生じさせる可能性がある」と述べた。
■5月30日の欧州マーケットサマリー:株は大幅安、イタリア債下落
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4UI4C0J1IKQ01.html
◎欧州株:1週ぶり大幅安、スペイン銀行不安やイタリア入札が不調
30日の欧州株式相場は1週間ぶりの大幅安となった。イタリアの入札で発行額が目標上限を下回ったことが悪材料。スペインが銀行システムを支える取り組みで困難に直面しているほか、ギリシャの世論調査が歳出削減に反対する政党への支持の高まりを示したことなども響いた。
ストックス欧州600指数は前日比1.5%安の240.56で終了。3月16日に付けた年初来高値を12%下回る水準となった。
この日の西欧株式市場では、18カ国全てで主要株価指数が下落した。ギリシャのアテネ総合指数は3.2%下げた。
◎欧州債:伊国債利回り4カ月ぶり高水準、リスク回避-英国債堅調
30日の欧州債市場ではイタリア国債が下落し、10年債利回りが4カ月ぶり高水準となった。この日の5年債と10年債入札で発行額は目標上限を下回った。欧州債務危機が同国債への需要を減退させているとの懸念が高まった。
ドイツ国債は上昇し、2年債の利回りは初めてゼロとなった。5年、10年、30年債利回りも過去最低を付けた。この日発表された5月のユーロ圏景況感指数は2年半ぶりの低水準だった。スペイン債も下落し5年債利回りは昨年11月以来で初めて6%を突破した。スペイン銀行(中央銀行)のオルドニェス総裁は、同国の銀行バンキアの国有化をめぐる批判の中で、任期満了よりも1カ月早く退任することになった。
ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日比17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.93%。一時は6.01%と、1月31日以来の最高に達した。同国債(表面利率5%、2022年3月償還)の価格は、1.155下落の93.755。5年債利回りは42bp上昇の5.68%を付けた後、5.56%となった。
イタリア政府が実施した入札での発行額は計57億3000万ユーロと目標上限の62億5000万ユーロを下回った。
ドイツ10年債利回りは9bp低下し1.27%。一時は1.261%と、ブルームバーグが1989年にデータ集計を開始して以来の最低を記録した。2年債利回りは一時ゼロとなり、5年債は0.362%、30年債は1.802%まで下げた。
スペイン10年債利回りは21bp上昇の6.66%。昨年11月28日以来の水準となる6.70%まで上昇する場面もあった。2年債は50bp上昇し5.13%。5年債は日中取引の最高となる6.21%に達した。10年債利回りのドイツ債との格差は一時、ユーロ導入来で最大の5.41ポイントとなった。