第1462回 悪化するスペイン危機
- 2012/06/13
- 06:34
★スペインの国債金利が急上昇、それに伴いユーロも大きく下落に転じた。
昨日も述べたが、ドイツがスペイン救済をESMで行うことを主張
この場合、スペイン国債を保有する一般債権者の返済順位が公的機関よりも低くなるため、民間が保有するスペイン国債のリスクは大きく拡大する。これを嫌う形でスペイン国債が売られ、これがスペインの金利上昇を招いた形
★フィッチがスペインの銀行格付けを引き下げ これによりスペインの銀行の資金調達はさらに困難になるものと思われ、これが銀行危機をさらに悪化させる。また、銀行からの預金流出も進むものと思われ、その意味でも銀行のバランスシートは更に悪化する。。続きは■渡邉哲也の今世界で何が起きているのか http://foomii.com/00049
■スペイン10年債利回り、ユーロ導入来最高の6.783%
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5ICUL6KLVR701.html
■スペインの銀行救済、逆効果の危険も-財政と連結のジレンマ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5HAET6K50XU01.html
ドイツ政府は、ユーロ圏の恒久的な救済基金、欧州安定化メカニズム(ESM)から支援を行うべきだと主張しており、その場合には公的部門の債権者の返済順位が他の国債保有者よりも高くなる。
■ユーロが対ドルで10年7月来安値圏、域内債務問題で景気懸念
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5HZSU07SXKX01.html
■スペインの18行格下げ、不良債権懸念を織り込み-フィッチ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5IHFQ6KLVR501.html
バンキアの長期発行体デフォルト(債務不履行)格付けは「BBB」と、今までの「BBB+」から引き下げられた。フィッチが12日、電子メールで発表した。それによると、カイシャバンクは「BBB」(従来「A-」)に、サバデル銀行は「BBB」(同「BBB+」)、バンコ・ポプラール・エスパニョルは「BBB-」(同「BBB」)に引き下げられた。
★昨日の市況★
■今日の国内市況(6月12日):株式、債券、為替市場
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5HRZU0YHQ0X01.html
●日本株は反落、スペイン銀行支援に評価続かず-輸出や石油関連安い
東京株式相場は反落。スペインの銀行救済支援策で欧州債務危機は収束しないとの見方が広がり、輸送用機器など輸出関連、銀行や証券など金融株中心に幅広く売られた。国際原油市況の下落が嫌気され、石油・石炭製品株も安い。
TOPIXの終値は前日比5.70ポイント(0.8%)安の724.37、日経平均株価は88円18銭(1%)安の8536円72銭。
●円反落、IMFが円は幾分過大評価と指摘-朝は欧州懸念で買い先行
東京外国為替市場では円が反落。スペインの銀行支援要請表明後も欧州債務問題に対する懸念が払しょくされない中、リスク回避に伴う円買い先行したが、国際通貨基金(IMF)の声明をきっかけに円を売る動きが強まった。IMFはこの日発表した声明で、円の為替レートが中期的にみて「幾分過大評価」されていると指摘した。
ドル・円相場は1ドル=79円半ば付近で東京市場を迎えると、一時79円17銭まで円買いが進行。しかし、正午すぎにIMFの声明が伝わると円売りが強まり、午後には一時79円66銭を付けた。ユーロ・円相場も朝方に1ユーロ=99円台を割り込み、98円72銭までユーロ安・円高に振れたが、その後反転し、午後には一時99円73銭まで円安が進んだ。
■グローバル・ストックマーケット・サマリー【アジア・太平洋編】
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5I7BH0UQVI901.html
【香港株式市況】
香港株式相場は下落。スペイン国債利回りの上昇を受け、同国の銀行支援合意でも欧州債務危機の波及を止められないとの見方が強まった。
ギリシャで港湾を運営する中遠太平洋(コスコ・パシフィック、1199 HK)は1.3%安。婦人靴販売の中国の百麗国際(1880 HK)は2.5%下げた。
ハンセン指数は前日比81.07ポイント(0.4%)安の18872.56で終了。前日は2.4%上げ、5カ月ぶりの大幅高となっていた。ハンセン中国企業株(H株)指数は前日比0.6%安の9519.53で引けた。
【中国株式市況】
中国株式相場は下落。この5営業日で4日目の下げとなった。中国の銀行の新規融資は予想を上回ったものの、スペインの銀行救済策は欧州債務危機の抑制に十分でないとの懸念が相場の重しとなった。
浙商証券の王偉俊ストラテジスト(上海在勤)は「現在の株式市場における最大のリスクは欧州債務危機であり、これが投資家のリスク志向を後退させるだろう」と指摘。その上で、「スペインやイタリアなど規模の大きな国に問題が広がりつつあるようだが、これは投資家が最も望まないことだ」と語った。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の両方に連動する上海総合指数は前日比16.06ポイント(0.7%)安の2289.79で終了。上海、深?両証取のA株に連動するCSI300指数は0.7%安の2540.18で引けた。
■6月12日の海外株式・債券・為替・商品市場
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5IV571A74E901.html
◎NY外為:ユーロは主要通貨の大半に下落-スペイン債利回り上昇
ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨の大半に対して値下がり。スペイン国債の利回りが急上昇したほか、格付け会社フィッチ・レーティングスがスペインの財政赤字について政府目標を達成できないとの見通しを示したことで、欧州債務危機の悪化懸念が強まった。
ニューヨーク時間午後2時36分現在、ユーロは対ドルで前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.2495ドル。一時0.4%安となった。対円でもほぼ横ばいの99円31銭。円は対ドルで0.1%上昇し、1ドル=79円39銭。
◎米国株:反発、FOMCに追加刺激策を期待
12日の米国株は反発。連邦準備制度理事会(FRB)が追加刺激策を講じるとの見方や、欧州中央銀行(ECB)が銀行預金の保証案を支持したことが買い材料となった。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は1.2%上昇して1324.18。格付け会社フィッチ・レーティングスがスペインの銀行18行を格下げした後、一時上げを失う場面もあった。前日は1.3%安だった。ダウ工業株30種平均はこの日、162.57ドル(1.3%)上げて12573.80ドルだった。
◎米国株:反発、FOMCに追加刺激策を期待
12日の米国株は反発。連邦準備制度理事会(FRB)が追加刺激策を講じるとの見方や、欧州中央銀行(ECB)が銀行預金の保証案を支持したことが買い材料となった。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は1.2%上昇して1324.18。格付け会社フィッチ・レーティングスがスペインの銀行18行を格下げした後、一時上げを失う場面もあった。前日は1.3%安だった。ダウ工業株30種平均はこの日、162.57ドル(1.3%)上げて12573.80ドルだった。
◎欧州債:スペイン債利回り過去最高、危機深刻化を懸念
12日の欧州債市場でスペイン債は下落。10年債利回りはユーロ導入以来の最高となった。域内の金融不安の悪化食い止めに十分な措置が講じられていないとの懸念から、欧州債は総じて売られた。
フランス国債はドイツ国債とともに下落。格付け会社フィッチ・レーティングスは政策当局が危機収束の道筋を示せずにいると指摘し、域内全体で格下げする可能性を示唆した。イタリア10年債利回りは上昇し、1月以来の高水準となった。同国は14日に国債入札を行う。オーストリアとオランダがこの日に入札を実施、ドイツは13日に10年債を発行する。 ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の6.71%。一時は6.83%と、1999年のユーロ導入以来の最高を記録した。同国債(表面利率5.85%、2022年1月償還)価格は1.325下げ93.030。