第1503回 格付け 解散先送り
- 2012/08/09
- 06:49
★格付け会社の格付け見直しが進んでいるが、織り込み済みの部分も大きく、以前のような大きな変動には結びつかなくなりつつある。
格付け 特に欧州の格付けは金利実体との乖離が大きく、それが大きな問題となってきた。国債金利が上昇を続ける国や銀行間市場で資金調達が困難な銀行に非常に高い格付けが与えられ、安全とされるという異常な事態が常習化していたわけだ。
昨年以降、この異常な状態は緩和されているが、まだまだ高すぎる国や銀行も多く、今後もこの是正は続くものと思われる。この過程で問題となるのは、堕天使化であり、投資適格から不適格への格下げによる投げ売りや保有制限となる。
一般に、年金や安定性を求めるファンドなどでは、その保有資産に格付け制限が掛かっている。投資不適格となれば、その資産を保有することは出来ず、一定期間内の売却を求められることになる。そして、この過程で投げ売りが発生し、それが債券価格を暴落させるとともに、国や銀行の資金市場へのアクセスを不可能にしてしまうのである。そして、これはデフォルトを発生させる。
そして、次の段階で、貸し手である債権を。続きは■渡邉哲也の今世界で何が起きているのか http://foomii.com/00049
■フィッチ:ドイツ格付け「AAA」と見通し安定的を据え置き
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8G9ZK6K50YY01.html
■加DBRS:スペインとイタリアを格下げ-危機深刻化を指摘
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8G4QG6S972G01.html
DBRSは欧州中央銀行(ECB)が担保として受け入れる証券の格付けに用いる4社の一つ。借り入れコストが急騰する中で国際的な救済の回避に努めるイタリアとスペインにとって、格下げは一段の重しとなる。
■S&P:スペイン4銀行をクレジットウオッチ-新たに1行を追加
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8EUHX6K50XU01.html
■イタリア国債、国内銀行による保有が過去最高-外国勢は敬遠
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8FUS66TTDS001.html
■野田首相:消費増税法案成立後、「近いうち」に解散で自公と合意
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8FSQ66JIJVF01.html
★昨日の市況★
■今日の国内市況(8月8日):株式、債券、為替市場
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8FDNQ1A74E901.html
●日本株は3日続伸、米金融緩和期待し素材、海運買い-午後伸び悩む
東京株式相場は3日続伸。ボストン連銀のローゼングレン総裁発言による米国の金融緩和期待の高まりに加え、国際商品市況の上昇などが好感され、非鉄金属や鉄鋼など素材関連、海運株といった海外景気敏感業種が上昇。商社、精密機器など輸出関連株の一角も買われた。
TOPIXの終値は前日比1.94ポイント(0.3%)高の745.64、日経平均株価は77円85銭(0.9%)高の8881円16銭。
●円が全面高、欧州景気懸念でリスク回避-対ユーロで97円上抜け
東京外国為替市場では、円が主要16通貨に対して全面高となった。欧州で緊縮財政策が景気を圧迫している状況が鮮明となる中、ユーロ売り主導でリスク回避に伴う円買いの動きが強まった。
前日の海外市場で一時1ユーロ=97円82銭と、7月12日以来の円安値を付けていたユーロ・円相場は、東京市場でじりじりと円が買われ、午後には一時96円91銭まで円高が進行。午後4時現在は96円95銭付近で推移。円は対ドルで朝方に付けた1ドル=78円66銭を下値に午後には78円34銭まで円高が進行。同時刻現在は78円38銭付近での取引。
■グローバル・ストックマーケット・サマリー【アジア・太平洋編】
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8FRLG07SXKX01.html
【香港株式市況】
香港株式相場は下落。ハンセン指数が3日ぶりに反落した。中国が9日発表する経済統計は、景気減速を示すと予想されている。ただ統計ではインフレ緩和も示されるとみられており、追加金融緩和の余地が広がるとの期待で指数の下げは限定された。
ハンセン指数は前日比7.03ポイント安の20065.52。ハンセン中国企業株(H株)指数は同0.2%高の9867.76で引けた。
【中国株式市況】
中国株式市場では、上海総合指数が小幅高となったものの、値下がり銘柄も多かった。中国が9日発表する工業生産と消費者物価指数(CPI)統計を前に、当局が株価下支え策を講じるとの観測が高まっている。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数は前日比3.37ポイント(0.2%)高の2160.99。上海、深?両証取のA株に連動するCSI300指数は同0.92ポイント高の2389.79で引けた。
■8月8日の欧州マーケットサマリー:株4日続伸、独国債利回り低下
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8G5LT07SXKX01.html
◎欧州株式市場
8日の欧州株式相場は一時下げたものの反発し、4営業日連続で上昇した。資源銘柄と銀行株が買われた。
英豪系リオ・ティントは2.9%上昇し、資源株の上げを主導。スペインの銀行、バンキアは24%急伸した。オランダ最大の金融サービス会社、INGグループは1.3%安、スウェーデンの警備サービス会社セキュリタスは8.8%下げた。両社とも決算で利益が予想を下回ったことが嫌気された。
ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の269.20で終了。3月19日以来の高値で引けた。6月4日以降では15%上げている。当局者がスペインの銀行向け融資の返済条件を緩和したほか、主要中央銀行が追加刺激策を打ち出すとの楽観が高まったことが背景。
この日の西欧市場では、18カ国中11カ国で主要株価指数が低下した。英国のFTSE100指数は0.1%上昇。フランスのCAC40指数は0.4%安、ドイツのDAX指数は0.1%弱の下げとなった。
◎欧州債券市場
8日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇し、10年債利回りは1週間ぶりの大幅低下となった。同国の輸出がアナリスト予想以上に落ち込んだことから、債務危機で域内全体の経済が弱まりつつあるとの懸念が強まった。
ドイツ10年債利回りは前日に付けた5週間ぶり高水準から低下。同国政府はこの日に10年債を34億ユーロ入札。フィッチ・レーティングスはドイツ国債の格付けを「AAA」で維持した。ギリシャ10年債は上昇。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同国の格付け見通しを引き下げたものの、相場には影響しなかった。
ロンドン時間午後4時現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.42%。一時は9bp下げ1.40%となった。前日は9bp上げていた。同国債(表面利率1.75%、2022年7月償還)価格はこの日、0.56上げ102.98。
ドイツ2年債利回りは2bp低下しマイナス0.05%。2日にはマイナス0.097%まで下げ、1990年にブルームバーグがデータ集計を開始して以来の最低に並んだ。