第1796回 FOMC
- 2013/10/31
- 07:54
★FOMC 予想通りとなるが、量的緩和縮小を先送りし現状維持を決めた。米国連邦政府封鎖と債務上限問題により、実体経済の落ち込みが懸念されており、これに対処する形とも言ってよいのだろう。 各種指標に、連邦政府封鎖の悪影響が見え始めている。特に雇用に関する指標の悪化、消費に対する悪影響が懸念され、それが量的緩和縮小を先送りさせる可能性が高い。 FRBの政策目標は、1 物価の安定 2%(プラスマイナス0.5%)...
第1795回 金融犯罪
- 2013/10/30
- 07:21
★LIBOR問題に絡み、金融機関に巨大な和解金がかせられている。そして、これが金融機関の業績に大きな影響を与えている。また、欧州の銀行危機の原因となっているスワップ契約に関しても調査が進んでいる。 このような金融犯罪であるが、海外では巨大な和解金や賠償金が発生することが当然となっている。それに対して、日本は甘すぎると言わざる得ない。脱法行為や違法行為を抑制するためには、巨額の賠償金制度が必要となると思わ...
第1794回 中国の歪
- 2013/10/29
- 05:58
★中国政府がすすめる人民元国際化政策 と 習近平の出している経済政策 この2つの間には大きな差異がある。 先日、習近平氏は中国のメディア関係者にマルクス経済学を学ばせる事を必須とし、テストを行い資格を徹底するとした。また、国営企業改革などでも、経済効率よりも自然環境保護などを優先するとしている。これは共産主義への先祖返り的政策であるといえる。 ■中国、貸出基礎金利の公表開始-金利自由化に向けシフト h...
第1793回 欧州銀行問題
- 2013/10/27
- 20:16
★欧州のストレステスト 昨年12月末時点でBIS3適合のためには、資本が950億ドル不足しているといわれている。どの程度まで厳しい基準にするかということになるが、厳格化すればさらなる積み増しも必要となると思われる。また、多くの国では不動産バブル崩壊が終っておらず、景気もなかなか改善されないため、更に不良債権が増加している可能性もある。 同時にストレステスト後の資本増強も大きな焦点となる。欧州の銀行監督権移行...
第1792回 金融たたきは票になる
- 2013/10/25
- 08:22
★米国でサブプライム関連の訴訟と金融規制の動きが加速している。サブプライム問題など金融が世界的な経済危機を呼び込んだのは事実であり、これが金融への風当たりをより一層強くしているといってよいだろう。政治家にとって、金融たたきは国民の不満解消となり、票になる側面もある。政治家にとっての最大の金主であった金融であるが、金よりも票ということなのだろう。 FRBがBIS3よりも厳しい流動性規制案を検討している。売却...
第1791回 みずほ問題からみえる闇
- 2013/10/24
- 07:17
★2年前からメルマガで書いてきたFATFによる暴力団排除の話、良いまとめ記事が出てきました。■暴力団マネーに包囲網、米大統領令でアメックス凍結http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MUWD896K50YF01.html この問題ですが、テロ組織や暴力団に限った話ではなく、このシステムにより税金を払わない人や企業の監視にも利用できます。個人情報と金融情報が一本化されることで、脱税や不正な送金などが完全に政府当局に見えるように...
第1790回 欧州ステレステスト
- 2013/10/23
- 04:30
★欧州の銀行規制とストレステスト ストレステストをめぐり、その資産評価のあり方と自己資本比率そして、監督と救済のあり方の議論が進んでいる。 欧州の資産評価に関しては、これまでも甘いという批判があったが、欧州当局はこれを無視してた経緯がある。なぜならば、この資産評価を厳格化した場合、必要とされる資本が拡大し、それが銀行危機へと直結する可能性も高かったわけである。そして、BISⅢ導入も施行を延期してきたわ...
第1789回 デフレ脱却
- 2013/10/22
- 03:31
★アベノミクス 日銀のさらなる量的緩和予測により、円は円安方向に動いている。では、金融政策だけでデフレからの脱却が出来るかと言う話となる。確かに量的緩和による円の希薄化は円安を招き、それは輸出競争力の強化による景気改善と輸入材価格の上昇による物価上昇を招く、同時にだぶついた資金による資産インフレ効果もある。 しかし、実体経済がこれだけで改善できるかといえば、大きな疑問符がつく、輸入材価格上昇による...
第1788回 先送りの代償
- 2013/10/21
- 04:41
★米国の量的緩和縮小問題 今回の連邦政府封鎖で景気の下振れが懸念されており、これが量的緩和縮小を先延ばしさせる可能性が高い。そして、すでに市場は量的緩和縮小先送りを見越した動きを示している。 米国は、これからバーゲンシーズンを迎える。これからレイオフなどの影響により可処分所得が減少する人が増加する可能性がある。政府機関の封鎖で影響を受けるのは、政府職員だけでなく、政府から仕事を請け負っている民間企...
第1787回 合意の先
- 2013/10/18
- 06:30
HP出来ました。 http://watanabetetsuya.info/★米国予算と債務上限問題 大統領が署名し、ギリギリでデフォルトは回避された。この遅すぎる合意が米国の中長期的信頼と米国債、そして、景気にマイナスの影響を与えたことは間違いのないところであろう。 また、今回の合意は来年1月までのものであり、暫定的な処置にすぎない。今回のような混迷がまた再発するかどうかわからない情況であるとも言える。次回予算成立の期日は1月...